旧松本剛吉別邸の歴史
kyuu matsumoto goukichi bettei HISTORY


旧松本剛吉別邸は、小田原駅東口から徒歩約17分に位置する小田原市南町の歴史的建造物です。
平成28年(2016年)小田原市の歴史的風致形成建造物に指定されました。
明治の元勲・山縣有朋(1838-1922年、第3代・第9代内閣総理大臣)と親交の深かった明治期の政治家、松本剛吉
(1862-1929年、貴族院議員等を歴任)が大正12年(1923年)頃に建築したもので、現在に至るといわれています。
松本剛吉の後、東京府農工銀行頭取の鈴木茂平らを経て、昭和17年(1942年)に東京日本橋富沢町で木綿卸商「岡正」を
営んでいた岡田正吉の所有となり、平成31年(2019年)に小田原市により公有化されました。
近隣にある清閑亭や小田原文学館等と同様、明治から大正・昭和初期にかけて、小田原の温暖な気候や豊かな自然等に
惹かれた政治家や財界人らが建築した別邸遺構のひとつですが、その中でも特に、建物の意匠・構造とその配置の面で、
建築当時の原形をよくとどめています。
かつて、近代小田原三茶人(南町に自怡荘を構えた野崎幻庵、板橋に掃雲台を構えた益田鈍翁、同じく板橋に老欅荘を
構えた松永耳庵)の存在のもと、茶道を通じた交流が盛んだった当時の小田原の別邸文化の様子を伝える象徴的な
建物としても、重要な遺構と考えられています。
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